人間のからだの「いろいろなpH(ピーエイチ)」
我々の体液は、基本は’ほぼ’中性!でも・・・?
我々の血液や組織のpHは基本的に7.35~7.45に保たれており、この酸とアルカリのバランスを保つ仕組みを『酸塩基平衡』と言います。
注)pH(ピーエイチ)とは酸性度を示す指標。中性であればpH=7、数字が0に近いほど酸性、14に近いほどアルカリ性を示す。
身体の部位によっては意図的に「酸性」もしくは「アルカリ性」
『胃』
身近なところでは、胃の消化液に含まれる「胃酸」は強い酸性を示し、その酸性度を示すpHは約1~2とされています。
この強い酸性の『胃酸』はたんぱく質の分解を助け、食物と一緒に胃に入ってきた細菌を殺菌する働きを持っており、『胃壁』は強酸性に耐えられる性質を持っています。
「胃酸はpHが低い」「胃酸には塩酸が含まれている」等、聞いたことがあるのではないでしょうか。
『肌』
正常な皮膚表面のpHは、約4.5~6.0の弱酸性に保たれています。
皮膚表面には常在菌叢といって、様々な菌が共生し、人間の体を守ってくれることすらあります。
皮膚が弱酸性に保たれることによってブドウ球菌、真菌、アクネ菌など常在菌叢を形成している菌の異常な増殖が抑制され、健康な肌状態を保つことができるのです。
『尿』
代謝によってできた老廃物や毒素などは主に便と尿として排泄されますが、尿中には食事や代謝によって負荷された「酸」も排泄されています。尿は腎臓で作られていますが、腎臓は胃ほど強い酸性には耐えられないため、尿中にはpHを調節する成分がたくさん含まれています。尿のpHは食事や呼吸等、全身の影響を受けるため、一日の中でも酸性になったりアルカリ性になったりと変動しますが、おおむね「弱酸性~中性」が保たれています。