同じ歩くなら正しい姿勢で
趣味の散歩を含めたウォーカー人口は、3,000万人以上ともいわれています。日本人のほぼ4人に1人が、なんらかの形で「歩く」ことを楽しんでいるって、凄いことですね。そういえば最近、地区単位でウォークラリーや歴史散歩といった催しがめっきり増えてきたと思いませんか。
確かに、ウォーキングは、年齢を問わず誰もが気軽にできるものです。それに、危険はそれほどなく、特別の装備もテクニックも必要でなく、お金もかからない、それでいて爽快感が得られるということがウォーキングの人気を高めているのでしょう。
歩くことは、ゴルフや野球やテニスのようにある程度練習しなければ、相手に迷惑をかけるというものでもありません。極端に言えば、朝起きた時、“今日から駅まで歩くことに決めた”と軍言、即、実行した瞬間から、あなたは立派にウォーカーの仲間入りしたことになります。
しかし、いざ始めてみたら、脚の膝が痛む、腰がガチガチ固くなったなど、かえって健康を害することもあります。いいこと尽くめのウォーキングのようですが、無理なく効果的に行うには、いくつかのチェックポイントがあります。
チェックポイント(1) 体調をチェック
健康づくりのためには、運動強度が強ければ強いほどよいというものではありません。スポーツで大切なことは時間や量ではなく「運動できる喜びと安心」です。
ウォーキングに限らず、サイクリングや水泳など比較的ゆっくりした有酸素連動でも、からだが消費する酸素量が通常の20~40倍にもなることがありますから、オーバーペースは禁物。自分のからだの運動能力にあった運動を心がけることが大切です。
そのためには、お医者さんに相談するなり、医学的検査により、スポーツによる危険が生じる可能性がないことを確認し、安心して続けられる自分に合った運動を選びましょう。さらに、ウォーキングに限らず、運動の前には、けがの予防として、必ずストレッチングなどでからだを柔らかくほぐし、膝やアキレス腱などの関節を十分に伸ばしておきましょう。
チェックポイント(2) 姿勢
正しいウォーキング・フォームをイラストで説明していますが、正しい姿勢は、運動効果を高める基本です。また、膝や腰、股(こ)問節を痛めないためにも守りたいものです。
例え、正しいフォームがすぐに身につかなくても、常に意識して歩けば、自然といつの間にか身につき、そうしたフォームで歩くことが快適に感じられるようになってきます。
チェックポイント(3) ペース
普通にだらだら歩いていては、さほど効果は期待できません。歩くスピードは大股で少し速い程度を保ちます。背すじを伸ばし、腕を大きくリズミカルに振れば、自然と歩く速度も速くなります。
具体的に言えば、額に多少汗がうかび、隣の人と話せる程度のスピードを守れば、1分間に80メートル前後の速さで歩いていることになります。とはいっても、あくまで無理しないことが大切です。とくに、ウォーキングを始めた頃は、普段と同じようなスピードで30~40分間程度歩き、慣れてきたら、徐々にスピードをあげるようにしましょう。
一気に長い時間を歩くことが大変なら、朝15分、昼15分間と分けて歩くのはどうでしょうか。でも、何回にも分け、1回に歩く時間が短いと効果がありません。分けても1回につき15分程度は連統して歩きましょう。
チェックポイント(4) 水分補給
昔は、運動の際、水を飲むと効果がないし、かえって疲れるといわれていましたが、これは科学的根拠がないばかりか、危険なことです。汗をかいたまま水分を補給しないで運動を続けていると、体内の水分が減り、脈が速くなったり、血圧低下による「熟疲労」などの脱水症状がおきます。
そんな状態で、適度に水分を補給しないと、血液の粘性が高まり、高齢の方や体力のない方の場合、頭痛やめまい、時には脳出血などの引き金となる危険性がありますから、歩きながらでも、早め早めに水分を補給するようにしてください。