歩くが勝ち。一日一万歩
人間は、生まれて歩けるようになるまで数ヵ月間は四つ足歩行(はいはい)を行いますが、その後「這えば立て、立てば歩めの親心」に応えるかのように、二本足でよちよち歩きはじめます。でもまだ、話をするまでには時間がかかります。
話をしたり、字を書いたり、泳いだりすることは教わらなくてはできない行為ですが、歩くことは、生まれながら誰にも備わっている「人間にとって最も基本的な運動」です。その運動をおろそかにするとしないとでは、健康・体力の保持・増進の面において大きな差がつきます。
もしや、「歩く」ということを、単に足の筋肉を鍛えるものとだけ思っている方はいらっしゃいませんか。歩く行為とは、からだの筋肉の60~80%をまんべんなく動き出させる働きをする全身運動です。その結果、新鮮な酸素が取り込まれ、心臓や内臓は活気を取り戻し、血液の循環もよくなるという効用があります。
ところで、健康づくりに「一日一万歩歩こう!」といわれますが、あれって、はたして根拠があることなのでしょうか。
グラフからおわかりのように、私たちは一日ほぼ7,000~8,000歩歩いています。一見、まんざらでもない数字のように思えますが、これは通勤や通学、家事、買い物などで歩く、つまり、あまり運動効果がないプラブラ歩きであって、「歩行運動」として効果がある歩数としてカウントできるものではありません。それに、ウォーキングを習慣としている人の歩数が、多分に平均値をかさ上げしています。
歩くスピードや姿勢、年齢などにもよりますが、体脂肪の消費が始まるのは、運動開始後、20分くらいたってからです。つまり、体脂肪を減らすためには少なくとも20分以上、理想的には40分「歩行運動」を続けたいものです2分間に100~130歩、歩くとして換算すると、日常生活で稼ぐ歩数プラス30分間程度の歩行運動の歩数が、計「一日一万歩」という計算になります。