日本ケミファ株式会社

健康生活のススメ

手軽な健康チェック。観便のおすすめ。

最近でこそ、暮らしの洋風化が進むにつれて、便所(トイレ)の位置や広さに気配りが行き届くようになりましたが、長い間、便所は「ご不浄」や「はばかり」なものとして、日当たりの悪い北側や屋外に設けるなど、鼻つまみものとして扱われてきました。

ましてや排泄物である大便は「糞」「屎」「糞便」など口にすることさえ恥ずかしいと嫌われています。

かろうじて「うんち」や「ウンコ」という幼児コトバに救われていますが、大便(うんち)は単なる排泄物ではありません。あなたが想像する以上に健康状態を教えてくれる貴重で、重要な情報源なのです。

もしや、あなたはトイレの水に浮かんだうんちの色やカタチなんか見たくもないと、素早く水に流していませんか。そうだとしたら、せっかくの健康チェックのチャンスを見逃していることになります。硬くても、やわらかくても出たら、しっかり観察するほどの仲になればきっとうんちはあなたの頼もしい味方になってくれます。

それでは、便を観察する際のポイントについて、いろいろな角度から検証してみましよう。

便の形

結論を先に申しあげると、「理想的な便」とは、バナナの色と形をした便が1~2本程度肛門からするりと出て、肛門を拭かなくても良いくらいの便です。ところで、あなたの今朝の便の形や色、どうでしたか?覚えていますか。

コロコロタイプ(硬便)

甘グリのような形の便。便秘の人に多い典型的なタイプの便です。大変硬いので、排便時に苦しい思いをする便です。便意をもよおしても、また排便に苦しむかと思うと、ついついトイレに行きそびれがちになりますが、それではますます排便のチャンスが遠のき、便秘になりがちです。それに、硬くて大きい便になると、排便のときに強く“いきむ”ので、肛門が切れて切れ痔(裂肛)になりやすくなります。

便が硬くなる原因は便になる食べ物が腸内に長い間止まっているため、水分が余計に吸収され、粘り気が失われる結果です。食物繊維を多く含む食物や水分が不足していませんか。

便の硬さをやわらげるには、きのこや海草、こんにゃくなどが有効です。乳酸菌も効果的です。

兎糞タイプ(硬便)

兎の糞のような小さくてポロポロした便です。腸の緊張が不安定な状態を反映しています。

ストレスが原因の過敏性腸症候群の疑いがあります。

また、腸管が何かの原因で狭くなっていることも考えられますから、早めに消化器系の専門医に相談されることをおすすめします。

バナナタイプ(普通便)

思わず“うんちよ、ありがとう”と言いたくなるバナナ、あるいはフランクフルトソーセージのような形が太くて長い便を称して“一本糞”などと言います。このタイプの便は、直腸からするりと出てきたことを物語っています。

健康状態がよく、食べた物の消化、吸収、排泄の仕組みが乱れることなく順調だったことを証明している便と考えてよいでしょう。

ペーストタイプ(軟便)

排便の時の抵抗感がなく、さっと出ます。形は整っていますが、水を流す時に便器の中に便が拡がります。ちょっと要注意の便になる危険性を秘めています。

消化不良を起こしやすい脂肪分を多く含む食べ物の食べ過ぎに注意しましょう。

泥水タイプ(水様便)

水分が主体のシャーっと出る便(下痢)。寝冷えや暴飲暴食、それに冷えた牛乳などを十分に消化・吸収できない時、下痢になります。つまり、消化器が受けつけないものを、一刻も早く出そうとするオナカの拒絶反応のあらわれです。下痢が一時的に、または急な場合は安静にして、原因を考えてみましょう。

しかし、下痢が長期間続いたり、下痢と便秘が繰り返し起こる場合などは、専門医に相談しましょう。

この他にも、いろいろな形状の便に一喜一憂しがちですが、便のチェックで最も信頼できるのは“この便、ちょっと怪しいぞ”というあなたの直感です。どんな些細なことでも、少しでも怪しいと思う便が出たら、専門医(消化器内科)の診察を受けるようにしましょう。

便の色

次に、気になる便の「色」についてチェックしてみましょう。便の色も、あなたのからだの状態が記録された「定期便」です。
(色見本は、あくまでも便の色の目安としてください。)

コガネ色 → 茶色系統

便の色は便の大腸通過時間で決まってきます。短いほど明るい黄色で、長いとこげ茶に近づきます。コガネ色から茶色までは健康な便と考えていいでしょう。ただし、形や硬さや量、臭いなども健康な便の条件をクリアしていなくてはいけません。

コガネ色系統でも、黄色で水のような下痢性の便が続くときは、過敏性腸症候群の疑いがあります。ストレス(精神的な異常刺激)から起こる場合も考えられますから、心身両面からの治療が必要になります。

白色 → 灰色系統

人間ドッグで造影剤のバリウムを飲んだ後の、あの灰白色したような便と言えばわかりやすいかもしれません。もし、そんな色の便が出たらウイルス性腸炎や、海外からの帰国後であればコレラなどの疑いがありますから、あれこれ迷わず、一刻も早く消化器系の専門医に診てもらう必要があります。ほとんどが米のとぎ汁のような水棲便ですが、普通の硬さの場合もあります。

灰白色の便は胆汁の分泌が悪いときにも出ますから、膵臓障害や黄疸の兆候としても考えられます。

黒色系統(タール便)

想像しただけでも不気味ですね。黒色の便は明らかにからだの危険信号です。黒っぽい便はその色から「タール便」とも言われます。

血液は酸と接触することにより、黒ずんできます。ですから、黒色便は食道や胃、十二指腸などの上部消化管からの出血が疑われます。必ず専門医の診断を受けてください。

赤色系統(血便)

赤色系統の便も黒色便と同様、すぐに専門医の診察を受けなければいけません。鮮紅色、または暗赤色の血液が混じった便を「血便」と言います。

ほとんどが大腸の病気による出血で、水様性の便は食中毒や赤痢、潰瘍性大腸炎などが、また、軟便・普通便の場合は大腸ガンが心配です。

ただし、血便でもっとも多いのは痔によるものです。痔の場合はイチゴ色した鮮血ですが、ともあれ素人判断は禁物。血便が出たら、まず専門医の診断をおすすめします。

便はあなたが食べた物やその老廃物が内臓を通過した記録を示すものです。毎朝顔色を見るようにしっかり観察しましょう。とくに、「血便」や「タール便」は大腸ガンや胃・十二指腸潰瘍などの病変を早期発見するキメ手になります。

単なる痔かもしれない、と決めつけたり、あれこれ一人で悩んだりしないで必ず専門医に相談してください。

気になる便

「胃病」は「意病」、と言われるように、胃ほど心の動きをまともに受けとめる臓器はありません。腸だって同じです。食べ物やライフスタイルやストレスなどで、その表情は毎日変わります。病気を初期の段階で見つけるためにも、健康な食生活のためにも次のようなことに注意しましょう。

におい

臭いの、汚いのと文句ばかり言われるうんちですが、世界一いい香りのうんちを出す動物がいます。それはコアラ。コアラが常食とするユーカリの葉には強い香りがあり、それがうんちにそのまま含まれ、月桂樹のような芳香となって出るとか。

ところで、便の臭いの原因となっているのは、インドールやスカトールなどのたんぱく質が腸内細菌などにより分解されたものです。だから、たんぱく質を多く含む食べ物を食べる人のうんちは腐敗が進んで臭くなります。肉を食べ過ぎたとき、臭いが強烈というのはそのせいです。

食生活が洋風化し、高たんぱく、高脂肪の食品を多く摂取するようになってきた日本人は、その便まで洋風化し、ますます強烈に臭くなってくるのではと言われます。

また、ニラやニンニクを食べたとき、その食べ物特有の臭気が出るように、便の臭いと食べた物には相関関係があります。栄養剤などの薬を服用した時も、その臭いが便に残ります。

下痢気味や脂ぎった便

下痢を起こす病気は多く、それだけに下痢便もさまざまで、それぞれの病気に特徴的な様相を示します。

急性の水のような下痢便、あるいは泥水のような状態の下痢便、血液や粘液が混じった下痢便など、いづれも一刻も早く専門医の診察を受けなくてはなりません。

また、大量の軟便で、しかも脂ぎっていたり、便器内の水面に脂が浮いているような便であれば、小腸の消化吸収が不良の状態で、膵臓の病気などが疑われます。なかでも、海外旅行から帰って水のような便が出たら、即刻、消化器系の病医院に直行してください。

いつもと色が違う

便の色は多分に食べ物の着色料や食材そのももの色素、それに薬を服用した時や注射した時なども色が変わります。たとえば、鉄分の多いホウレン草やシュンギク、枝豆などを食べると緑がかった黒色系の便か、または淡い緑色便が出がちですが心配ありません。

もし、食べ物に思い当たることがないのに、黒色系の便が出たら、急性の腸炎か食中毒による消化不良が考えられます。

赤色の便の場合は赤い着色料の食品やトマトやニンジンなど赤い色素を多く含む食べ物の食べ過ぎが原因となっていることもあります。

しかし、出血によるものか、食べ物のせいなのか、はっきりした理由がなくて赤色の便が出たときは、やはり専門医の診断を受けてください。

現在は大腸ガンの検診に用いられていますが、ご年輩の方には、「検便」と言えば、“回虫”というコトバが懐かしく思い浮かぶことでしょう。いまや、死語となったようなコトバですが、しかし、根絶されたわけではありません。便に白い糸状のものが混じっていたら、寄生虫感染の疑いがあります。便を持って消化器系の病医院に行くことをおすすめします。

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